マー君(原作)
<24>

「ねぇ」

「ん?」

「僕達大人になってもずっと一緒だと思う?」

洋太は隣に仰向けに寝る間宮を見た。そこには幼い間宮がいた。明るい顔をし、微笑んでいる。背が小さく女顔だ。

「そりゃ、一緒さ」

今度は間宮とは反対側から声が聞こえる。振り向くと隣に良一がいる。この頃の良一は痩せている。背が少し高い、坊主頭をしている。彼もまた仰向けに寝ている。

二人の真ん中にいる洋太もまた仰向けに寝ている。三人は原辺で青空を見上げていた。

春の涼しげなそよ風が三人を囲い込むように吹く。芝がザザァーとさざ波を立てる。

三人は青空に浮かぶ太陽を見上げながら、片手を空に伸ばしていた。

「そうだね」

洋太は眩しすぎる太陽を見上げながら、微笑んだ。

「俺達はずっと、ずっと一緒だ」

風が強くなる。春の香りが胸を満たす。雲が動く様が目に焼き付く。

「だって、俺達--」

洋太は手を握り締めた。

「親友だもん」

そう俺達は親友だった。

親友だったんだ。ずっと前から。

間宮、良一、俺。

あの頃、俺達は何も知らなかった。だから、親友でいられた。だが、何も知らなかったから、いつしか俺達はばらばらに。だから――。

だから、俺は――。
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