淡い初恋
唇が離れると私は恥ずかしくて俯いた。「希・・・」そう呼ばれ彼を見上げると「俺、もう我慢出来ない。」と彼が甘く切ない声で言った。私の心臓が一瞬ドクンと跳ね上がると、体中に痺れが走った。自分の体を両腕で抱きしめながら彼の方を向くと「ごめん、まだ心の準備が出来てない。」と言った。

すると龍くんが私を抱擁してきたので思わずビクっとして体が震えた。彼は、少し離れると「大丈夫だから。」と私の顔を覗きこんで言った。

どうしよう。でも、やっぱり恋人同士になったからには、避けて通れない。怖いけど、でも、龍くんと結ばれたい。そう決心した私は、コクンと頷いた。「え!?」彼が少しびっくりした声を出すと私はすぐさま「うん、分かった。」と言った。「え?やっていいってこと?」と聞かれたので「うん、頑張る。」と応えた。

彼は、少しフッと笑うと私の唇にキスをし、右手で胸を触ってきた。私はびっくりして思わず「あ、やっぱ待って!恥ずかしい!!」と反応してしまった。それでも龍くんは左手で私の太ももを擦ってくるため「ごめん、やっぱ待って!ダメ!!」と言って彼を制してしまった。彼が動作を止め、困った顔で私の方を見てきたので「ごめん、やっぱまだ勇気が出ない・・・。ごめん、龍くん。」と謝った。彼は、「大丈夫だよ。」と言うと「俺こそ無理強いさせてごめん。」と言って私を優しく抱きしめた。

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