淡い初恋
暫くこのまま彼の温もりを感じているとふとあることを思い出したため、私は彼の方を見上げた。「実は来週の土曜日、私の誕生日なの。」彼は、私を見下ろすと「え?そうなの?」と聞き返した。「うん、その日はちょうど両親が旅行中だから、もし良かったらうちに泊まりに来ない?」と誘った。「うん、行く!行くよ!絶対!」と彼が喜びを露わにすると私は嬉しくて「じゃぁ、決まりね。」と言って微笑んだ。

誘い方が少し大胆だったかな?言った手前ちょっと恥ずかしくなってきたかも!でも、一緒に私の誕生日を過ごし、お祝いしてくれるなんて想像するだけで幸せな気分になり嬉しくなる。そうだ!この日は、家でケーキを作ろう!「美味しい」って喜んでくれるかな?また、龍くんの頬張るとこ見てみたいなぁ。彼と初めてのお泊り。ドキドキで楽しみだけど今度は勇気を出して彼と・・・出来ると良いなぁ。

色々と考えると楽しくて嬉しくて、私は自分の誕生日が早く来るのを待ち望んだ。けれど、その日が私にとって最低最悪な誕生日になり、彼との別れが訪れるなんてまだこの時は思いもしなかった。
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