淡い初恋
金曜日も一緒に帰ろうと言ったけど断られた。露骨に不機嫌な顔をすると彼も苦しそうな顔をした。「じゃぁ、明日の誕生日は朝から一緒にいれるよね?」と聞くと龍くんは「ごめん!夕方からなら会える」と言って頭を下げた。

え~!!なんでなの龍くん!

私は泣きそうだった。「ごめんって」と言って彼が私の頬に触れようとしたので私は制した。

だったら、ずっと一緒にいてよ!私のこの不安を拭い消してよ。私のこと好きなら、そうしてくれるでしょ!?

言葉に出さないけど心の中で龍くんに訴えた。でも、その代わり、「龍くんにとっては私の誕生日なんてそんなもんなんだ」と彼に毒ついた。するとすかさず「違うって」と言うから「じゃあ、なんで朝から会えないの!?」と聞くと彼は押し黙った。


ねぇ、なんで何も言わないの!?ねぇ、龍くん、私不安だよ。なんで急に私と一緒にいるのをそんなに拒むの?

龍くん・・・・

彼は、その後もひたすら謝ったけど私は納得出来ないまま今日を過ごした。
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