淡い初恋
「え?」その名前に少なからずドキッと反応すると「あいつも大変そうだったな。」と思い出しながら彼が言ってきた。「気になる?」と人をからかうように聞いてきたので「い、いや、別に。」と誤魔化した。でも、動揺で声が上擦ってたかもしれないけど。

すると突然「高梨さんって今彼氏いる?」って彼が聞いてきた。「え!?」と反応すると「い、いないよ。」と応えて軽く笑った。すると突然「俺とか、どう?」と北沢くんが聞いてきた。「え!?」また驚くとすぐに「冗談だよね?」と私は聞き返した。すると彼は「冗談じゃないよ。マジで!」と笑顔で言ってきた。その笑顔が逆に冗談っぽく見えるのだけど私は返答に困ると「実は俺、高校の時から。と、いうか龍之介と付き合う前から好きだったんだよね。」と言ってきた。また、「え!?」と反応すると「ってか、高梨さん、『え!?』を連発しすぎだって」と笑われた。

「だって・・・。」と言うと「返答は今じゃなくて良いから考えといて。」と言うとスマホを出し、連絡先を交換しようと言ってきた。私達は連絡先を交換すると「ってか、高梨さんは何の仕事してるの?」と彼が聞いてきた。
「有楽町にある旅行会社に勤めてる。」と言うと「え?どうやって来てるの?」と聞かれた。「京葉線で新木場乗り換えで有楽町線だよ。」と言うと彼は、どっと疲れたように大きなため息を漏らすと「それだったら、東京駅から降りた方が近いんじゃ。乗り換え面倒臭くね?」と言ってきた。

「え?東京駅?山手線乗るの?」と聞くと「いや、東京駅から国際フォーラム通って歩いたらすぐ有楽町駅だから。」と言ってきた。「え~!?そうなの!?」と驚くと彼は「やっぱ昔っから抜けてるの変わってないな。」と笑いながら言ってきた。
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