淡い初恋
月島に到着すると、彼は私の頭をポンポンと軽く叩き「返事待ってる。」と言うと電車を降りた。私は叩かれた頭頂部を両手で押さえると懐かしい思い出が蘇った。

*******************
「ごめん!私ばっか泣いちゃって・・・。もしかしてあの映画つまらなかった?」

「うん、ごめん。」

「私こそごめん!」

「別に、希が満足したなら良いよ。」と言って龍くんは私の頭を優しく撫でてきた。

私はその彼の行動にビックリして思わず両手を頭の上に載せた。そして、龍くんって優しいんだなと思うと思わず嬉しくてはにかんだ。

*****************

知らなかった。高校時代から、私が龍くんと付き合う前からずっと北沢くんは私のことを好きだったなんて。それだけ、私は、龍くんのことしか見てなかったことだよね。

考えといてって言われたけど・・・
今でも龍くんのことしか考えられなくて。

龍くんじゃないとダメみたい。私、今でも龍くんが好き・・・。
龍くんも同じ気持ちかな。そんな訳ないよね、きっと私のこと嫌いだよね。

元気かな?彼女いるのかな?夢叶ったのかな?幸せかな?

龍くんに逢いたい・・・
< 52 / 83 >

この作品をシェア

pagetop