淡い初恋
あ、でも待って。私、今日日直じゃん。しかも、高梨希と一緒。そう思ったら気が進まなかった。あの女トロそうだし、時間かかりそう。しかも、大人しいから会話も弾むこともないし気まずくて疲れそう。そう思った私は、放課後、彼女に声をかけた。

「ごめん、今日用事が出来ちゃって~。本当に一人に押し付けるみたいで悪いんだけど日直掃除お願いしても良い?」と超白々しい言い方をしたけど彼女は気にすること無く「大丈夫だよ。」と手を振って応えた。なぜか、その良い子ぶりっ子にカチンときてわざとらしく極上の笑みで「ありがとう」と言うと私は踵を返した。

合コンに来なきゃ良かった。「ねぇ、可愛いね~。」「彼氏いないの?」自分に寄ってくる男なんてどうしてこうも低レベルで低俗な奴ばっかなんだろう。やっぱ千堂くんが良い。彼ぐらい立派な人が私の彼氏だったら自慢出来るし、誇り高い。両親も私をすごいと褒めてくれるかもしれない。そうだったら、幸せなんだけどなぁ。
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