深層融解self‐tormenting◆番外編◆
で、新歓コンパに行くなんて言ったら先生はふて腐れてしまって、あの後はご機嫌取りがすんごく大変だった。



「……それいらね」


思いだしながら苦笑いする私を見て、引っ越し業者が運んできた私のベッドに難癖をつけだしている先生。


「いや、ベッド要るから。これじゃないと寝れないし」


唖然として業者の前で思わず先生に食い下がる私。



だってベッドなきゃどこで私は寝ればいいのさ?



「必要ねーだろ。一緒に寝んだし」

「はぁ!?」


いやいやいやいや、有り得ない。

つーか嫌。


ヨダレ垂らした寝顔もすっぴんの素顔も見られたかない。


いくら同棲でもプライバシーは死守したい。



「……いいからベッドは部屋に運んで下さい」



にこやかに笑って業者の皆さんを促した。


それでなくとも借りたアパートの部屋はファミリー向けの2LDK。寝室を個々に使うのに何の不都合があろうか。いや無いはずだ。




「お前は寝てる時でも一緒にいたいとか思わねーの?」

「……だって恥ずかしいんだもん。色々」

「大体彼氏がいるのにコンパとかありえねぇだろ。俺も行く」

「そっちの方があり得ないから!!!!」


何を言っても無駄だと諦めた私は、先生を無視して荷物を片付けだした。



そして新歓コンパ当日。

連れのコには、早く切り上げて帰ることは伝えた。


何だかんだ言っても先生にしてみれば無礼講な合コンなんてヤだろうし。


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