オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
そこの店舗は、2階席まである、某有名コーヒーショップ・トトーレコーヒー。
適当にコーヒーを注文し、まだ魔法店を探すとやいやい言っている先輩を引きずりながら階段を上り、窓際のカウンター席の右奥、一番目立たないと思われる壁の横の席に押し込めた。
あたしはすかさずその隣に腰を下ろし、恨めしい目つきで睨みつけると、語気を荒げて言う。
「夜までここから動きませんからね!ここで時間を潰すんですっ。ほんっと、先輩といると、恥ずかしい思いしかしないわっ!!」
すると、何を思ったのか、先輩はとたんにしゅん……とし、まるで子犬のような潤んだ瞳をあたしに向けて、目で何かを訴えてきた。
なな、なんですか、その目は。
そんな目で訴えてきたって、夜までトトーレに寄生する意志は揺らぎませんからね。
「なんですか。言いたいことがあったら言ったらいいじゃないですか、先輩」
「……、……。(じーっ)」
「先輩となんて見つめあいたくないですよ。マジでなんなの、あたしが悪いの!?」
「……、……。(じーっ、うるうる)」
「その目をやめんか!うっとうしい!!」
きえぇぇいっ!
クリスマスなのに、しみったれた雰囲気をバンバン出してくるんじゃないよ、茨城っ!