オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*

　
まだ夜には時間が早いけれど、クリスマスの飾りつけをされたモミの木を見たり、カップルに写真を頼まれれば、シャッターを押したり。

隣にいるのが先輩で、なんだかなぁ、な感じではあるものの、それなりに楽しい。


覗いてみたいお店もちらほらあって、そういえば奈々にクリスマスプレゼントをまだ買っていなかったな、と思ったあたしは、何軒目かで入ったアクセサリーショップで、四つ葉のクローバーの形をしたストラップを買った。

しかもあたしとお揃いだ。

めっちゃ親友っぽい。

大学はもう冬休みに入っていて、お互いに今年のお正月は帰省しないということだったため、奈々に予定が入っていなければ初詣にでも一緒に行き、そのときに渡してあげたいと思う。


「まことちゃんのストラップは、ぜひ俺のポケットマネーから出させて！お願いしまっす!!」

「いいです」

「お願いしまっす、って！まことちゃん!!」


けれど、お会計をするとき、なぜかあたしにプレゼントをあげたがっている先輩に、レジの前でしつこく食い下がられてしまって。

それでも、さっきの約束はどうした、と無言で睨みつけるとすぐに察したようで「うん、そうだよね」と、すんなり引き下がってくれた。

よしよし、いいぞ、茨城。