オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
奈々から携帯を受け取りながら、この数日間ずっと胸にため込んできた本音を打ち明ける。
だってそうじゃないか。
あたしのことを本当に大切にしてくれていて、これからもつき合っていく上でちゃんとしたいという葉司の気持ちは嬉しかったけれど、その内容が「実は俺、“オトコの娘"なの」って、ちょっとばかしヘビーすぎると思うのだ。
「マコ、苦労してるね」
「そんな他人事な……。お願いだから奈々も一緒に考えてちょうだいよ。あたしは一体どうするべき? ていうか、奈々ならどうする?」
親友のくせになかなか薄情じゃないか、と高校時代からの友情に若干の疑問を抱きつつ、奈々ならどうするか、参考までに聞いてみる。
メルさんにも“あなたが決めることよ"というニュアンスのアドバイスを受けたけれど、いかんせん、分からないものは分からない。
こうなれば情報集めだ。
少しでも多くほかの人の考えを聞くほか、あたしの考えもまとまらないような気がした。
と、その奈々。
「面白そうだからつき合う」
「そう言うと思ってた」
「ふふ、期待を裏切らない女でしょ?」
「……そうだね」
思った通り、つき合うと即答し、頬杖をつくと大きな目をアーモンド形にして笑った。