オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
竹山のストレートな告白に、お店のスタッフの娘や、愛菜、奈々、メルさんはもちろん、偶然ここに居合わせ、告白大会を見守ることになったほかのお客さんからも拍手が起こる。
お客さんたちもお客さんたちで、なんだかんだでノリがいいのは、メルさんの根回しもあるのだろうけれど、元々の気質、というか、オトコの娘カフェに来るくらいなので、みんなどこか物好き感があるのは、まあ、否めない。
けれど、それならそれで、どーんと来い!! と、俄然、気合いが入るのが、全てに覚悟が決まったあたしの、我ながら強いところである。
「続きまして、石田まことちゃんの告白です!準備ができましたら、どーぞ!」
竹山と入れ替わるようにして、ステージ中央のスタンドマイクへ向かうあたしの背中に、軽快な声のアズミが、そう声をかける。
元カノが今さらなんだ、という視線も、中には感じるけれど、それがなんだ!と前を見据え、マイクが立つ位置まで歩いていく。
5カ月前、初めて『ねこみみ。』に連れてこられた際、あたしの恋はここで散ったも等しい。
ならば、一度は終わった場所から、もう一度、今度はあたしから、愛菜に伝えたいのだ。
ただただ、大好きだよ、と。