オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
 
せっかくのプチ休憩だというのに、茨城先輩はあたしの顔をのぞき込んできて、どうにも煩わしくなったあたしは、余計な部分まで言ってしまいつつも、きっぱりとお断りした。

クリスマスの予定がないとか、寂しくても1人で過ごしたほうが万倍有意義だとか、そういった、とてもデリケートな部分だ。

すると先輩は、一瞬、驚いたように目を見開くと、次の瞬間にはその目を三日月形にして、ニンマリ、という表現ぴったりに笑う。


「彼氏とうまくいってないんだぁ」

「ばっ、ちがっ……!」

「またまたぁ。まことちゃん、先月あたりからずっと機嫌悪かったモン。うまくいっていないか別れたか、一体、どーっちだ」

「~~~っ!」


ほんっとうざい、茨城っ!

普段、何も考えてなさそうなのに、こういうところだけ妙に勘が鋭いんだから!


「女の子の日ですっ」

「女の子の日が1カ月以上も続くわけないじゃん。それ、普通に受診をお勧めするよね。なになに、マジでどうしたのよ、まことちゃん。こんなノリでも、すごく心配してるのよ、俺」

「……」


全然引き下がらないな、茨城め。

以前からも、好きだのデートしてくれだのとしつこく言われてきたけれど、ここ最近の茨城先輩のアプローチはすさまじいものがある。
 
< 99 / 343 >

この作品をシェア

pagetop