赤い糸の約束






あの後俺達は何もなかったように部屋に戻ってきた。


けど、
お互い気まずく何かを話すことなく今日はそのまま眠りについた。


朝起きると、芹沢さんが暗殺されたと大騒ぎだった。


そんな光景をあいつは何の感情を出すことなく只、見つめていた。


葬式も手を合わせるが泣く事もなく只、芹沢さんと手を繋いで幸せそうな顔をしているお梅さんの亡骸を見ていた。


手は昨日あいつが繋げていた。


私がしてあげられる事はこれくらいだからと…


そんな姿を見ることしかできない自分に苛立った。


葬式も終わって部屋に戻るとあいつは休むことなく羽織を着て巡察の準備をした。



「月華…」


「平助、今日は私達の隊でしたよね?
急ぎましょう」



何で、何で、何で…









お前は笑うんだよ……














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