赤い糸の約束






私が見張っている中で平助は部屋の掃除を終えた。


「ふー…なんか綺麗にするのもいいな!
気分まであらわれるっ」


そりゃよかったね。

後片付けをする平助を見つつも私は近藤さんのことを考えていた。

まさか此処にいるなんて思っていなかった、
いや、只私が忘れていただけなのか。


「月華?」


ハッと割我にかえり目に入るのは心配そうに私の顔を覗く平助。

私がニッコリと大丈夫の意を込めて笑うと平助もへへっと笑った。


「ねぇ、近藤さんって良い人?」

「ん?
当たり前だよ!あの人は凄い人さ」


まるで自慢するかのように笑う。

やっぱり、近藤さんは凄いや。



「そろそろ夕餉だから行こッ」

「あぁ」


私は無意識にこぼれる笑みを隠すことなく平助の後を追った。







月華side*end





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