Ending Note
「ねぇ、この意味、分かる?」
あたしが訊くと、虎太郎はうーん、と唸り声を上げながら眉間にしわを寄せる。
「俺と同じ秘密の場所……? 俺の秘密ってこと?」
「……あんたの秘密ってなによ」
「俺の秘密ってそりゃ……」
「あっ!!」
いつだったか、ママが言ってたあの場所!?
「あんたの机の引き出しの裏?」
立ち上がって2階に向かおうとしたあたしを、虎太郎が焦ったように引き止めた。
「ちょ、待てって! 俺の机の引き出しの裏が正解なら、わざわざ“同じ”なんて書かないだろ! 普通に“虎太郎の秘密の場所”でいいだろ!」
「あ……そっか。言われてみれば……」
「“同じ”ってことは、どこかの引き出しの裏ってことかも」