不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
その翌日なにげなくほのかの頭を撫でて触れると

眞人への思いがあふれんばかりにこちらに流れ込んできた。

願ったもののその思いを目の当たりのするのは正直辛かった。

2人に入り込む隙間なんてなさそうだった。


しかし、眞人の突然の失踪…

その後のほのかの混乱と憔悴ぶりは半端なかった。

眞人がいた時も居なくなってからしばらくも友達として…

でもいつかは…

と秘めた思いを抱きつつそばに居た。


ほのかは、眞人が居なくなってから初めの頃は、気持ちを押し込んでいて、

週末になるとふらふら探し回るのに、辛い気持ちを零すこともなかった。

しばらくすると俺に対して気を許してくれるようになり、その辛い思いを聞いてやった。

本当は半分でも共有して背負ってやりたかった。

失踪してずいぶんたってからも、眞人への変わらない強い思いが

なかなか消えないのを見るたびに俺の気持ちは辛く落ち込んだ。

時間の経過は、ほのかの思いを変えない。

あいつは、ほのかの中で永遠なのかと絶望して、一時期ほのかへの恋心を

押し込めようとした時もあった。

色々なしがらみや環境がその頃俺の立ち位置をよりややこしくしていた。

その時期、目の前に気にかかるものもちらちらとしていた。

この際男としてでなくてもいいから、俺だけは眞人とは違い

永遠にほのかのそばに居ようと思い、願い、そうし続けた。
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