不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
そしてある時、ほのかが第三者に傷つけられてボロボロの姿のまま

俺を頼ってきたとき、ほのかの思い奥底に、変化の芽吹きを見つける。

その日から…

俺とほのかの関係が徐々に徐々にではあるが変わっていった。

でも、それからも長かった。

ただどんなに大切でも、健全な体の男が好きな女のそばで付け込むことなく

見守るなんて…

本当は無理だ。

ほのかを手に入れられたのは、力があったからだと今でも思う。

聞こえたからこそ、自分の欲望と感情を押し込められた。

ほのかにとって、卑劣な男に成り下がってしまえば後はないと思ったからこそ、

かろうじて我慢できた。

失踪して10年が経過した頃、やっとほのかは眞人への思いを諦めた。

そして、俺への思いにも俺の望むような変化が見られた。

とにかく長かった。やっと、やっとほのかをこの手にできる。

だから俺は、気になっていたものを切り捨てほのかだけに向き合うことにした。

でもそこからの俺は焦らなかった。ここまで待ったんだ。

ここで焦ったらおそらくしくじる…

ほのかの気持ちが、諦めから新たな感情を固めるまで…

彼女自身の口から俺への気持ちをきちんと言わせるようにしむけた。
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