不条理な恋   理不尽な愛  (ベリカ版)【完】
大学で出会った時、彼が夢の中に出てきていた人だとすぐ分かった。

夢の中での出来事がリアルとリンクして…

私はすぐに恋に堕ちた。

なんでこんなところで出会うのか普通なら不思議に思うのに、

そんなことはどうでもよかった。


理不尽なところも不思議な言動も…

恋の魔法は不思議なものですべてに魅かれ、その全てを許せてしまえる自分に

自分自身がびっくりした。

この人が運命の人じゃなきゃ、誰がそうだというのだろうか?

そう思う程、私は短い時間で眞人にどっぷりと溺れていった…

でもそれが地獄の始まりだったとはその時は知る由もない。


幼く純粋で、何かに縋り付きたい衝動のあった私を

彼は見抜いていたのか…

それともこれが運命の悪戯だったのだろうか…


居なくなってからの方が遥かに長かったのに、

私の心の中からなかなか彼は出て行ってくれなかった。

どうしてこんなに忘れられないのか…

どうしてこんなに執着してしまうのか…

それでもそんなどうしようもない心をコントロールする術はなかった。

そして、地獄の縁をギリギリ歩いていた私はそこから…

一度突き落とされた。







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