消えた同級生【玩具の女編】
彼とは結構本の趣味が合う

私の知らない私の好きそうな本とかに詳しかった。



…でも、こんなに普通の高校生活を送っていていいんだろうか…

捜査は進展する事なく、沈黙している…

何も発見できない自分に、少し焦りを感じていた。



「……ない?」

「え?」

「今度一緒に映画でも行かない?」

「えぇ!?」

「いや、この間話してた本の映画が今やってるから、どうかな?って…」

「う、う〜ん…」



私が悩んでいるとき、山谷君が寒河江に向かって勝ち誇った表情を見せた事に、私は気がつかなかった…



「私、結構忙しくて…時間空いたらね」

「うん、じゃあその時は教えてくれる?」

「うん」

ふぅ…なんだろう…もしかしてアプローチされてるのかしら?

「モテモテじゃん!」

淑ちゃんに冷やかされる…

「そんなんじゃないよ」

「でも、蒼湖がダメなら碧依みたいな感じで嫌だな…」

「だから、そんなんじゃないよ。大丈夫!」

「そう?山谷って前から蒼湖とかに優しいけど、なんか…」
< 178 / 369 >

この作品をシェア

pagetop