消えた同級生【玩具の女編】

麻薬

授業が終わった後、淑ちゃんと二人学食に行こうとしたら、たまたま日本史の先生と廊下ですれ違った。

「あの…先生…!」

「はい?」

私はふと思い出したことがあった。

「質問しても、よろしいですか?」

「あら、どうぞ」

「源氏物語とか何かに、『富士の君』っていう人がいたりしますか?富士山の富士…」

「富士の君?…さあ、そんな人はいないわね…ふじのきみ……ごめんなさい…」

「あ、いえ…いいんです…」

じゃあ、何だったんだろう…

あの先生のノート…

「何?富士の君って?」

「あ、何かの本で見かけて、何した人かなって思ったんだけど、そんな人いなかったみたい…」

私はまた歩き出した。

「…ねえ、碧依、何で二人は青い色の名前なの?」

「ええ!?何でって聞かれても…何だろう?」

改めて聞かれるとわからないな…

そう言えば…そんな話、太門さんに聞いた事なかったな〜

「富士山で思い出したんだけど、蒼湖の名前、何で湖が子供の子じゃないか聞いた事ある?」

「え?無い…何で湖なの?」
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