消えた同級生【玩具の女編】

春雷

よく晴れた5月

今日は日直。淑ちゃんが日誌を書き終わるまで待っててくれていた。

「蒼湖ー。杉村っち、ホントに彼女と別れたと思う?」

「別れちゃったんじゃない?だって、ゴールデンウイークどこに行ったか聞いたら、船釣りって言ったんだよー?彼女と行くと思う?」

「マジで?じゃあ、決定的じゃない?」

「なんでだろうね〜、顔も性格もいいのに。」

「押しが足りなさそうだからな…」

「私は優しかったらそれだけでいいけどな〜」

のんきに話をしていたとき、部活着のクラスメートが教室に入って来た。

「あれ?今日の日直、園田?如月?」

「あ、私だけど…」

「あ、社会の松山が片付け手伝って欲しいから、第三社会科教材室に来て欲しいって、伝言」

「うん、わかった…。ありがとう。
淑ちゃんごめん、やっぱり先に帰っててくれる?なんか時間かかりそうだから、待たせるの悪いし。」

「うん、それはいいけど、手伝う?」

「大丈夫、ささっと終わらせて帰るから。淑ちゃん今日塾でしょ?気にしないで!」

「でも、あの教室は…」

淑ちゃんが心配そうに見つめた…




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