消えた同級生【玩具の女編】



何度目をつぶっても、そこには血だらけで転がる寒河江がいて、私は高らかに大笑いする。

「やったー!ついに、ついに殺した!!あはははは…」

どうして!?どうして、そんなに殺したいの!?薬のせい?

そんなに憎しみが強まったの!?



違う!殺したくない!私は寒河江を殺したくなんか無い!!



ガバッと跳び起きると、自分の布団だった…

「夢…?」

最悪…汗びっしょり…

夢の中で、私は蒼湖になっていた。いや、蒼湖を身近に見ていた感じ…

途中でごちゃごちゃになった…これは夢なのか、それとも蒼湖が私に何かを伝えたかったのか…

蒼湖の……最期…

時計を見ると、4時過ぎだった。

やっぱり、蒼湖が見せてくれたんだろう…

私はまた横になり考えていた。

私は蒼湖が寒河江を憎んでいたとは思えない。

私だったら…そう考えると、寒河江を知れば知るほど、好きになっていくんじゃないかって…

それが例え縛られた世界でも、毎日優しく囁かれて、甘い時間をくれるのなら私は捕まったままでもいいような…
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