消えた同級生【玩具の女編】

上野は1番上の段の本を取ろうと、必死に背伸びをしていた。


脚立を使えばいいのに…


後ろから近付いて本を取ってあげた

……その手を離さないまま

「あ…」

振り向いた上野はびっくりした顔で俺を見上げた。

そして掴まれた腕と俺を見比べては、顔をまた紅くして何かを話そうとしていた。





本当は最初から予感していた…

だから避け続けた。

怖かった。惹かれていくんじゃないかって思うことが…

だけどいつの間にかこいつは俺のすぐ近くにいた。俺を慰め、俺を頼り、共に目標を持った…

わかってる。俺は蒼湖の代わりで見てるんじゃない。こいつ本人に惹かれている。

ただ、俺が護りたいだけ、俺が側で護ってやりたいだけだ!

俺が側に居たいんだ…

ずっと気付かないフリをしてただけ






「俺は…」


「え?」


「……俺は幸せになってもいいのか?許されることなのか?」

そんな質問に、上野はキッと睨みつけてくる

「そんなの!…」
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