消えた同級生【玩具の女編】
……やっぱり……

俺は諦めて腕を離そうとした時、上野の瞳から涙が一粒零れ落ちた。

ダメに決まってるじゃない!!

そう返事が来ると思った。

「そんなの、当たり前じゃない!
生きてるんだから、寒河江は生きてるんだから!」

ああ、そうだ

俺は腕を持つ手に力が入り、そのまま上野にキスをした。

上野がよろけて本棚に寄り掛かり掴んでいた本を落としたが、俺は構わず続けた…

「…さが?」

俺がゆっくり唇を離すと、真ん丸な瞳が俺を見ていた。

俺は思わず微笑んでしまった…

掴んだままの腕を離してゆっくり指を絡める

「…碧依…」

俺は囁いてもう一度彼女の瞳を見つめ、唇を合わせた。


碧依は腰を抜かしたのか、ゆっくりと床に座り込んだが、俺はそれでも彼女を追いかけた




次第に慣れてきたのか、碧依はゆっくり俺に合わせるようになった…




夕暮れ…図書館が俺色に染まっていく





俺は今やっと前に歩き出した。








『死ぬ事は怖くない………

でも…………』
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