消えた同級生【玩具の女編】
「じゃあ、力仕事は俺がやる!」

「もう!」



緋色は…優しい

ここに来てから、私は大事にされている

どうして?どうしてあんな事をしたんだろう…




ねえ、緋色…私達どこに向かってるの?

私達に未来はあるの?



聞きたくても…聞けない

私はおもちゃなんだから






「…蒼湖…蒼湖…」

毎晩抱かれるとき、緋色は何度も私の名前を甘い声で呼ぶ…

その度に私は何度も自分が愛されている様な錯覚に陥る。

毎晩毎晩、錯覚してしまう

そして彼が私をきつく抱きしめ、私の肌に直接彼の早い鼓動が聞こえた瞬間、私はたまらなく幸せを感じる

幸せで幸せで仕方なくなる…



どうしよう…

私の身体はどんどん苦痛とは真逆の感覚を覚え、私達の関係とは裏腹に私は女に成っていってしまう…

もう戻れないのに…

苦しくてどうしていいのかわからない

気持ちが止まらず、自分がどんどん寒河江に溺れていくのがわかる

心も…身体も…






溺れていく






怖いくらいに……







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