消えた同級生【玩具の女編】
なんで…緋色は私みたいな普通の…


…あぁ、思い通りにならなかったから…


それだけだ…






その子の姿をよく見かけるようになった。登校、帰宅、昼休み…帰り道に寄るスーパー…

いつも笑顔で緋色に話しかけて来て、次第に普通の話をするようにまでなっていた。

私の前で…それは平気に行われた。

昼休みに、通り過ぎ際、

『いいよねー、可愛くなくてもステキな彼氏をゲット出来る人って!!』

そんな事を言われた。

彼女が私達に話しかけてくる時、私を見る事は無い…その輝く瞳は緋色にだけ向けられる


彼女が何を考え、どうしたいのか、私にはよくわかった



でもね、私はおもちゃなの…

対等じゃないのよ?

私が彼を想ってることがバレたら、私達は終わる



だからいつも気の無い態度を取らなければならないんだよ…どんなに気になっていても…










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