消えた同級生【玩具の女編】

別離



秋雨前線も、台風も来ない晴天の続く毎日…

やっと事件から解放されて、私は緋色と二人で文化祭を回ったり、デートしたりするはずだった…

はずだったのに……








「何で検査入院なのよ!!」

おもいっきり窓枠を殴る

「ふふ、太門の気が済むまで我慢しなさい…」

お母さんが洗濯をたたみながら、袋に詰めて言った。

あんなに仕事を頑張っていたお母さんは、私の事件から仕事を辞めて、バイトやパートで暮らしていたそうだ

結局私の生活費は太門さんが出していたし、学費だってバレるから太門さんが出していた訳で、お母さんは仕事をする理由が無くなったから…

私って、みんなに迷惑かけてた事になる…

「だって、何ともないのにずっと検査で入院だよ?文化祭だって出られなかったんだから…太門さんの勝手な不安で!」

「前例がないから心配なのよ…、奇跡的に父性愛に目覚めたんだから、好きにさせてあげて…」

「私の青春が…」

私は仕方なく窓枠に寄り掛かった。
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