消えた同級生【玩具の女編】
違うクラスの、アイドル的存在の女の子が寒河江を呼びながら入って来た。

彼女は自分に自信がある。

明るめの巻いた髪にピアスをし、マスカラを丁寧に塗っていた。

多分1番この学年でモテるだろう…。彼女は寒河江によくくっ付いていた。

「ヒーロ!最近冷たいじゃん。メールも返してくれないし…
どうしたの?ねえ、ヒーロがいないとつまんないよぉ、今日遊びに行こう?」

行って!彼女を選んで!

私は背中からテレパシーを送った。

寒河江達を見ることが出来ない

お願い!私の事を思い出さないで!

願った…。

一日でも自由を延ばしたかった。

「っつーか、馴れ馴れしく触んなよ。」

寒河江の一言に、クラス中が注目する。

学校のアイドルにそんな事を言うのは寒河江が初めてだろう…

ましてや先日まで仲良くやっていたのに…突然の変化にクラス中が驚いていた。

「…え?何?私何かした?」

「前まで気にしてなかったけど、名前で呼ぶのやめろよ。俺、勝手に呼ばれたくねーし。
それに何?お前…何様?図々しいな、俺に触るな!」
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