キミと生きた時間【完】
「お母さん、全然知らなかったでしょ……?」
いじめられていることを家族には知られたくなかった。
あたしがいじめられていることを知れば、家族に悲しい思いをさせてしまうから。
だけど、もう限界だった。
心が破裂してしまいそうなくらい追い詰められていた。
「ごめんね、こんな娘で」
捨て台詞を吐き、黙ってうつむくお母さんの横を通り過ぎ、まっすぐ階段へ向かう。
勢いよく階段を登っているとき、お母さんが何か言っていたような気がする。
だけどあたしは、その言葉を無視して部屋に飛び込んだ。