キミと生きた時間【完】
扉を後ろ手に閉め、そのままズルズルと床に腰を下ろす。
「あたし……本当に最低だ……」
膝を抱え込み、その間に顔を埋めると自然と涙が溢れた。
ポロポロと流れ落ちる涙が腕を伝う。
大切なお母さんを傷付けた。
それに気付いていながらも、引き返すことはできなかった。
今頃、お母さんは悶々とした気持ちを抱えていることだろう。
娘がいじめられていると知ったショックはきっと計り知れないはずだ。
「ごめんね、お母さん……。ごめんね……」
唇が震えて、目の奥が熱くなる。
シーンっと静まり返った部屋の中にはあたしの嗚咽がむなしく響き渡った。