恋結び ~キミのいる世界に生まれて~

「……」


あたし一人取り残されて、閉ざされたドアをしばらく呆然と眺めた。



…一体どうしちゃったんだろう。



周りの友達が親をウザったいと思うようになった中学生時代だって、理人は家の中でムード―メーカ的存在で。

いつだって、家族の輪を大切にしてきた。


あたしと翔平のことだって、家族の為になんとかしようとしてた。


そんな理人が。


昨日の夜までいつもと変わらなかった理人が。


どうして急に…?


お母さんたちが帰って来た昨日の夜に記憶を巻き戻しても、こうなる理由が見つからない。





その夜、あたしはまったく眠れなかった。

< 222 / 615 >

この作品をシェア

pagetop