オアシス・カフェ〜三人のプリンス〜

「あ!あった!」


巻物のように巻かれた大きな地図には、案の定埃が被っている。


「これ持ったら、制服汚れるなぁ…」


そうボヤきながらサッサッと埃を手で払っていた、その時ーーー。


「ーー…ねぇってば!聞いてる⁉︎」


女の子がやや声を荒げて、準備室に荒々しく入ってきた。

足音の数からして二人。


「どういうことか説明してよ!あの子とはどういう関係なの⁉︎」


この時堂々と準備室から出て行けば良かったものを、私は反射的に棚とダンボールの影に隠れてしまった。

ちらっと二人の様子を窺うも、棚が邪魔でよく見えない。

声からして、女の方は知らない人だと思う。


うわぁ…痴話喧嘩かな…

昨日といい今日といい、なんでこんな現場に居合わせちゃうんだろう…

とにかく、バレないうちに早く出て行きたいんだけど…

ここから出るには二人の横を通らないと駄目だし……


「まさか本当に平井柚姫と付き合ってるなんて言わないよね⁈」


え……

今、なんて…言った…?



< 69 / 251 >

この作品をシェア

pagetop