君と図書室で

「それで…何で大地は本を読もうと思ってるわけ?」


 あ、それ私も前思ってた。

 どうしてあの大地君が本を読もうと思ったんだろう?

 …って、“あの”大地君って失礼か。


「いや~オレくらい頭がいいとさ、教科書じゃ物足りなくて」

「…お前、日本語から勉強しなおせ」

「うるせーゴリラ」

「うるせーバカ」



 …大地君、はぐらかすの上手い。

 結局何で本を読もうと思ったのか知れなかった…。



「ね、諸富さん」

「あっ…はい!」


 急に名前呼ばれてびっくりした…

 何の用だろう?


「もし迷惑じゃなかったらオレにも面白い本教えてくれない?」

「!!…もちろん!」

「ゴリラはダメー!オレが独占するの!」

「!!」

「だからゴリラって呼ぶなーっ!!」



 …びっくりした。

 急に大地君が独占するとか言うから。

 心臓がまたドキドキ言い始めてる。

 
 本当に大地君といると困る。

 好きになっちゃいけないのに、どうしても好きになっちゃいそう。


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