君と図書室で

「大地君、今まで無視してごめんなさい」


 私、自分を守るために大地君に最低なことした。


「許して、なんて言える立場じゃないのは分かってるけど…許してください」


 こんなの自分に都合がよすぎるのは分かってる。


「そして聞いてほしいことがあるの」


 伝えたいことがある。

 伝えなくちゃいけないことがある。

 …出会った時から今までの気持ちを。


「私、大地君に出会えてから世界が変わって。毎日が楽しくて仕方がなくなった」


 学校での一日一日が楽しくて。

 そして何よりも大地君と会えることが嬉しくて。

 どんなことがあっても大地君と話すだけで元気が出た。


「そして気づかないうちに私、大地君に惹かれてた」


 好きって気づいて。

 その時も傷つきたくないからって、必死に気持ちを抑えようとしてたけど…

 無理だった。


 抑えててもどこかでは分かってた。

 大地君のことが好きだって。






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