結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】
しばらく時間が経ち、私たちが食事を堪能してデザートを食べ終わり、

飲み物を待っていると、一人の男性が飲み物を手に現れた。


遠目にはその男性は容姿は至って平凡で中肉中背。

でも近づいてくると、その姿にはっとした。

瞳がとても強く、人を惹きつけるものを持っていると

初対面の私でも感じさせられる人だった。

優雅なしぐさでそれぞれの前に注文した飲み物を置き、

「このたびは当ホテルのレストランをご利用いただき

ありがとうございます」

丁寧に頭を下げ、挨拶をする。

顔が上がると再びその強い視線に射抜かれそうになる。

思わず心臓が飛び跳ね、頬が染まる自分にびっくりした。

彼が、絶句している私のほうに一瞬だけ視線を向ける。

それからその視線を柔らかく受け入れるように微笑み、

その人に向かって話しかけた。


「食事とっても美味しかったです。京極さんをお呼びしたのは、

ここでの結婚式について色々伺いたかったので…

僕たちまだ結婚式ができていなくって…

こちらも候補の1つなんです」

「そのようにメールでもお伺いしていましたね。

お時間を頂きまして、色々と詳しくお話をさせていただきたいのですが

よろしいでしょうか?」

「はい。ぜひお願いします」

彼と私はそれから京極さんからこのホテルの

ウエディングプランについて聞いた。
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