結婚の賞味期限 人生の消費期限【完】
それから、こちらで可能なプランについて映像を見たり説明を聞いたりした。

京極さんは、みずき君の話を聞いてオススメをいくつか紹介してくれた。


京極さんの紡ぐ言葉に2人で耳を傾けながら

私は、1度目の結婚式の事を思い出していた。


あれは…

私と元夫の結婚式というよりは、元夫の両親が決めたもの。

まるで私たちは操り人形のようにその場にいて、

言われたようにして笑って食べただけの宴。

全てはお金持ちの元夫の両親の言いなりだった。

夫は次男だったし、後を継いだお義兄さんと違い

両親とは別の仕事をしていたが、

それでも全く関わらないわけにはいかなくて…

これさえ乗り越えれば二人で平凡な日々を過ごせると、ただひたすら我慢した。


そういう意味では自分の結婚式を自分で決められることの幸せを、

みずき君は今、私に教えてくれている…


忙しい日常で、彼のどこにそんな時間があったのだろう…

でもそれは私を喜ばそうとしてくれてのことだと思うと、

素直にその好意を受けようと思った。


彼にとっては初めての経験。

私にとっても、彼と一緒にすること全てが初めての事なのだから、

二度目だとか、年上とかそんな言い訳はやめよう…


みずき君はたまに私の方をチラチラと見ながら、終始笑顔で嬉しそうだった。
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