溺愛ヤンキーくん
あの後、冷蔵庫に食材がたくさんあると知ったあたしは二人分の夕食を作り、秋川皇雅と一緒に食べた。
久しぶりに一緒に食べた夕食は
…………美味しかった。
涙が出そうになったあたしの頭を秋川皇雅が優しく撫でてくれた。
そのぬくもりが暖かくて……
さらに涙が出そうになった。
そのぬくもりに頼っちゃいけないのに頼ろうとしている自分がいる。
だめなのに…
「……ん…うまかった。ご馳走さん」
「……うん…」
「いつまでしょぼくれてんだお前」
「ちょ…髪の毛わしゃわしゃしないで…」
「……俺がお前の闇を背負ってやるから…安心しろ…な?」
「…ありが…と」
「じゃ、俺食器洗ってるから。なんかあったら声かけろ」
「うん…」
あー!!
秋川皇雅に頼るなあたし!!
頼ったらだめ頼ったらだめ…
うーん…少しだけほんの少ーしだけ頼ってみようか?
いやいや。頼って一大事でも起きたら大変だな…
よし。
ここは危ない事はあたしが自分で片付ける。し、
秋川皇雅達炎龍には少しだけ手伝って…いやいや。
うわべだけの相談だけしておけばいいや…
これは人を巻き込んじゃいけねぇ。
巻き込んだらずっと狙われるかもしれない。