毒舌に惑わされて
『ちゃんとfantasyに来いよ』


「今日は眠いからやめておく」


聖也に会うのは気まずい。ひとまず寝て、じっくり考えよう。


『莉乃に拒否権はない。絶対に来いよ)


ほんとに勝手で強引だ。そんな男に感じてしまった自分が悔しい。無視しよう。いつも思い通りにならないことを分かってもらおう。

よし!そうと決まったら、帰ろう。

お気に入りのバラの香りがする入浴剤を入れて、まったりしたバスタイムを過ごそう。それで、その良い香りに包まれて眠ろう。

私は真っ直ぐ家に帰った。

聖也から電話が来たら困るから、スマホの電源は切った。スマホがない生活もいいものかもしれない。静かな夜が過ごせる。

ベッドに入るとすぐに睡魔が襲ってきた。ちゃんと睡眠を取らないと生きていけないんだから。
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