毒舌に惑わされて
「莉乃が年下好きとは知らなかったわ」


「別に年下好きではないわよ。そうそう、聖也って何歳なの?」


「24よ」


24歳? 私は30歳になったばかりだから、6つも下ということ?

有り得ない。

そんなに年下なのにあのデカい態度だなんて、有り得ない。

6つも年が下の男を恋愛対象に見たことは今までない。それに、葉月の弟なんだから、私にとっても弟のようなもの。


「聖也との報告でなかったら、何の用なの?」


「聖也のとこにネックレスを忘れてしまったみたいだから、連絡先を教えてもらおうと思ったんだけど」


「は? メアドとか交換してないの?」


「だって、もう会うつもりないし」


そう、会うつもりなんてなかった。


「えっ?莉乃って、一夜限りの何とかを出来る人だっけ?」


「ちょっとー、何とかって何よ。それに聖也とは何もしてないわよ」


私は葉月の聞き方がおかしくて、苦笑しながら答えた。
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