時猫
「も…」
「ん?」
「もう一度、お願いします!」
「…は?勝ったのは私。あなたはもう帰っていいわよ?」
そう言うと、悔しそうに唇を噛む伊吹。
「大体あなたね、何で新選組に入りたいわけ?」
「……それはっ…」
「…?」
伊吹は、今にも泣きそうな顔になる。
「憎いん…です。長州が」
土方は怪訝そうに、眉を寄せた。
「私の両親は──。
長州の浪士に、辻斬りされたんです」
「なっ…」
椿は思わず、息をのむ。
自分に置き換えて、考えてみた。
…憎むのは、当然だと。