時猫




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「どういう、事…?」


椿は、呆然とその場に立ち尽くす。


「何?私は、本当は、幕末の人で…。それで、平成の人だという事に記憶をすり替えられた…?あなたに?」

「そうです」


はっきりと、時猫は頷いた。


「全ては、翔太の復讐?じゃあ、今まで翔太が私に接してきた態度は、ただの演技だったの?」

「そうです」

「…新選組と私を、あなた達が引き裂いたの?」

「そうです」


椿は唇をかんだ。

何も覚えてないのだ。

記憶が消された証拠。

ただし今、しっかりと映像で見た。

自分が、“如月椿”ではなく“木島茜”であった事を。

そして…

平成ではなく、本当は幕末の人であるという事も。




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