キラキラ
教室の戸を開ける。






「夏実ごめんっ、遅くなって―――」





あたしは席に着くと、急いで自分の鞄から弁当箱を出した。

夏実はもうずいぶん前に教室に戻ってたらしくて、お弁当も先に食べ始めている。




「それはいいんだけどさぁ、さえはどうしたいの?」

「なにがぁ?」


「智樹ってさぁ・・・さえのこと好きなんじゃない?」

「・・・はぁ? いきなり何っ?」






あたしは笑いながら言った。

だって本当に、「はぁ?」なんだけど。






「いやだってさぁ。さえが自販に行ったら、必ず智樹がくるような気がするんですけどぉー」


「必ずって・・・(笑)」


「今日もいたんじゃないの?」


「今日もって(笑)だって智樹、絶対お茶持ってこないんだもん。誰だってお茶くらい買いに行くでしょ。偶然だよ」








あたしはおかずを次々に口に運んだ。









うん。智樹は友達。

それ以上で見たことなんか、一回もないし。








っていうか、あたしのこと好きになる奴なんて、この世界にいるんだろうか・・・。

あたしのこと好きになってくれる人なんて、この世界にちゃんと存在してくれてるのか・・・。


わかんない。







「まぁ、別にいいんだけどさぁ」

「あ、そこはあきらめるんだ!?(笑)」

「うん、あきらめとく(笑)」








あたしも夏実も笑ってた。

だって知らなかった。

知るはずもなかった。
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