恋の賞味期限　愛の消費期限（Ｂｅｒｒｙ’ｓ版）【完】

誘拐未遂

みずき君は白石の車から、まず私を降ろして、自分も後に続く。

そのまま、私の手を引いて、自分の車に向かって歩き始めた。



静かに助手席のドアを開け、私をゆっくりと座らせて、自分も運転席に腰を下ろす。

車のエンジンをかけ、ゆっくりと走り始める。

無言のまま家に着くと、私を降ろした。

私は何が起きたのか把握できず放心状態でしばらく動かなかった。
彼は、私の腰に手をやり引き寄せてゆっくりと後ろから押して家の前まで連れて行く。

私は鞄から家の鍵を探そうとするが、なかなか見つからない。
その場に座り込み鞄を広げてやっとカギを見つけふらつきながらも立ち上がる。
カギを鍵穴に挿そうとするが手元が震えて穴に入らない。

みずき君は後ろから静かに手を添え鍵穴にカギを挿し、ドアを開けて玄関を入る。
リビングに小さい明りを灯しソファーに座る。


彼は、私の隣に座った。

時計は１時を回っていた。
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