恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】

その日は突然に

あっという間に時間は流れて…

瑞希君の両親に挨拶に行き、

その翌週に私の母と妹を呼んで家族で食事会をした。

それから迎えた年度末、田川課長夫妻に保証人になってもらい入籍した。

課長を通して少し前会社にも報告してもらっていたので、

夫婦で同じ課は色々と周りも気を使うからという配慮で、入籍度同時に

私は隣の遠藤課長の課に異動した。


お腹が大きくなるし、私は2度目だったということもあり、

結婚式はとりあえずしなかった。

「でも早いうちに、ひなの花嫁姿を見たい」

と彼は産んだ後1年以内に絶対やると言って私に無理やり約束させた。

産後も働き続ける予定だったので、産休までギリギリ働いた。

妊婦健診には、彼が毎回必ず一緒についてきた。

静かだけど暖かく楽しい4人の忙しい毎日が過ぎ去って行った。


そして…その日は突然訪れた。

私は産休に入ったある朝、朝食を作っていたら、

突然体の中でパンという音がしたような気がして

下半身が濡れた感じがした。床を見ると小さな水たまりができている。

「みずきくん…

よかったら、病院に連れて行ってくれない?」

彼は、青ざめて何度も

「大丈夫?」

と聞いてくれた。私はソファーで出かける用意ができるまで、横になる。

彼は病院に電話をすると、娘たちに声をかけ、荷物を持ち私を病院まで運んだ。
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