恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】
翌日、娘たちにもOKを取り、メールをして、翌週金曜日の夜

母子3人で彼と食事に行った。


その日を境に彼と私の関係は大きく変わった。

お互いの趣味や、家族の話をするようになり、

もう一度、娘共々食事に連れて行ってもらった。


そして、初めて彼がうちに来たのは8月最初の週末。

2度目のご飯を一緒に食べた時にうちの娘たちが

家で会う約束をしたためだった。

子煩悩な彼は、娘たちにすぐに気に入られた。


ピンポ――ン。

約束よりちょっと前。

玄関の呼び鈴が鳴ると二人は玄関に向かって猛烈な勢いでペタペタと

足音をさせながら走っていった。

私は苦笑しながら後を追う。


「こら。誰かわかんないんだから、確認せずにドアを開けない」

そういって、彼女たちの前に出て、呼び鈴を鳴らした主を

のぞき穴から確認する。

彼の左手は後ろに回り、右手にはおそらく娘たちから

リクエストされていたであろうCDが入った、

CDショップの紙袋を下げていた。

「どうぞ」

私はカギを開け家の中へ招き入れる。






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