「わかってるってば」
それは、柏木くんが担当になって初めての夏。

私には、大変なことがおきて・・・

それは、すごい恥ずかしくも・・・思い出すだけでも恥ずかしい。

ある日・・・

執筆が進まなかった私をゆうきは、デートに連れだした。

心の中では、ゆうきと呼ぶ私。ゆうきはいつも優しい。

でも、真夏になんで遊園地なんだ・・・

私、36才。真夏に遊園地とか、本当に自信ないし・・・

やはり若いって怖い。

ノリ?みたいな・・・

海に、遊園地に、と若い時は怖いものはなくって

断る理由もなくって

全ては楽しくて・・・

でも、今は・・・

ついて見上げたのはジェットコースター。

「マジカよ・・・ゆうきよ・・・」

私は、足がすくんだ。

「凛さん。コレ行こうよ!」グイグイ進んでいく。

「えーーっと。・・・」本当にダメかも。柏木くん・・・私は、そんな空気をだしまくったけど、

ゆうきは気づかない。

「乗っちゃう?」

柏木くんと一緒なら平気かも!って思ってしまった。

ほんの少しの勇気。



でも・・・奇跡なんて、勇気なんてムダなもんだよ・・・



私は、あわや失神寸前だった。



急降下するジェットコースターに身を任せ・・・



嬉しそうに喜んでいる柏木くんを横に見ながら、目を閉じ・・・

そのまま気を失った。

「凛さん・・・」

気が付いたのは、救護室で。

柏木くんは慌てている様子。

「だ・・・大丈夫だから・・・」

私は、「またやってしまった」って思うほど

自分が情けなかった。
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