「わかってるってば」
今日に限って・・・ゆうきは来た。

私の部屋に男が一人。

私も結婚は、ほど遠いけど、男友達の一人くらいはいる。

友人みすずに紹介され、かれこれ10年以来の親友。

未来はそんな男友達だった。一時は互いが燃え上がって、付き合うことになって

でも、お互いが将来に必死だったから、婚期を逃していた。

未来も同じ年。36才って年齢。男性的にはどうなの?

「もう、結婚したら?」いつも、未来に言う口癖。

未来にとって私は何なの?そんな時期もあった。

よくある恋人の会話? 離れてはくっついて・・寂しくなると、肌を合わせることも。

ゆうきには正直、どう説明したらいいのか? きっと、この関係すら理解できないよね。

急に現れた年下の男に、彼じゃない彼を説明もできず・・・

でも、1つ嬉しかったことが。

スマホの待ち受けの女は、別れた彼女だったってこと。

問い詰めたら、ゆうきは可愛そうなくらいに、テンパってて・・・

「なら。私と付き合う?」ってノリでも言ってみたかったな。

私は、寝たふりをしながら、部屋のドアをそっと開けた。

リビングではゆうきが掃除機をかけている。

そんなに真剣なまなざしで、女の部屋で掃除するというのか?・・・

たまーに、私はそうやってこっそり彼を覗くのが好きになってしまって。

でも、一番うれしかったのは、テーブルに並べられた夕飯らしきお料理が。

不恰好なハンバーグに、サラダ。

ご飯が炊かれる匂いで目覚めるのがなんとも心地よい。

こんな彼がいたら・・・なんて淡い想い。

でも、何度も自分の気持ちを閉じ込める。

「彼はまだ若いし、こんな不安定な年増女。かえって、可哀そう。」

明日・・・明日こそは、切り出そう。

珍しくLINEを自分からしてみた。
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