「わかってるってば」
あの日から・・・私たちは、凛とゆうきと呼び合うようになり

チェンジするはずだったゆうきは、あれからも何度も何度も私の元へ来ては

私を励まし、私はすっかりゆうきに甘える日々となっていった。

潤う作品を書くのに、ゆうきは私にたくさんのヒントを与えてくれてて

週の大半は私のマンションで暮らしている。

突然・・・住み着いた?

違う・・・私がお願いしたのであって・・・

ゆうきはこの年増女のわがままにしばし付き合ってくれているだけなのだと。

まだ、完全に心は開けなかったけど、この心地よい同棲の感覚は

私の心を安定させ、創作意欲を奮い立たせ

ゆうきのおかげで私は変わっていける気がした。

私がチェンジする。

春には、大きな賞を狙っていこうと思った。

久々に作品に力が入る。

ゆうきは今夜もバイトに行き

また私の部屋に帰ってくる。

なんて、平凡で温かい日々。

もう季節は冬なのに、

心はホカホカで満たされていた。
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