「わかってるってば」
そして・・・私たちは・・・エピローグ
目覚めた時は

もう朝方で、

ゆうきは台所にいた。

「うわ~いい匂い~」煎れたてのコーヒーの香りはたまらない。

久々にゆうきがいるんだ。この部屋に。


「おはよ。」

「おはよ~。」目覚めのキスは本当に心地よくって

「あ~結婚したら毎朝・・・」私はそんな妄想ばかりが止まらない。

ゆうきはベッドの枕元からふと取り出した。


「今回、東京に来たのも、コレ渡したくって・・・」

「え?なに・・」


ゆうきが渡したかったものって。


指輪?

まさか・・・


「プロポーズの続き?」私はドキドキしながらもわざと焦らしてみた。


「続きっていうか・・・もう待てないよ・・・」

「結婚してください」



私は、つい「わかってるってばー」って


言いたかったけどうまく言えない・・・

涙が止まらないんだよー。


「あ・・ありがとう」

「幸せにするからね」



夏の終わりに私達は婚姻届を提出した。

式は来年まで持越し、ゆうきは東京で仕事を探し始めた


「ねぇ・・・今日も言ってよ。」


「好き?」

「うん。好きだよ」   LINE でつぶやく愛の言葉


私たちの恋は


深い愛へと変わり


私はゆうきの妻となった。

「結婚式はここでする~!」

「ハイハイ・・・」

相変わらず年上なのに、ガキみたいな私・・・

結婚式場のパンフレットとリビングに広げたまんま

眠ってしまった。

ゆうきの夢でも見ているのか

にんまり笑う私の顔を眺めては

クスって微笑むゆうき

穏やかすぎる夏の夕暮れだった。














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